社会保険の制度とはどのような制度でしょうか?
会社などで働く人達が収入に応じて保険料を出し合い、いざというときの生活の安定を図る目的でつくられた制度。一般的に健康保険や厚生年金保険のことを「社会保険」といいます。 健康保険第1条で定められ、健康保険と厚生年金保険は、労働者個人や事業主が自由に契約・加入するものではなく、法律により加入が義務付けられています。 そのため、健康保険と厚生年金保険への加入は、事業所単位で行うこととなり、事業主は従業員と保険料を負担し、その納付や加入手続きなどの義務を負います。書類作成には大変時間がかかり、申請ミスは会社にとっての損失にもなりますので注意が必要です。
どの様な手続きが必要か
どういう時にどの様な社会保険手続きが必要なのかを一部ご紹介します。
健康保険・厚生年金保険の主な事務手続き
被保険者資格 | 従業員を採用した | 被保険者資格取得届 |
被保険者が退職した・死亡した | 被保険者資格喪失届 | |
資格喪失(退職等)後個人で加入を続ける | 健康保険任意継続被保険者資格取得届 | |
被保険者 | 氏名が変わった | 氏名変更届 |
住所が変わった | 厚生年金被保険者住所変更届 | |
2つ以上の事業所に勤務する | 所属選択届 | |
育児休業を取得/休業等就業予定日を変更 | 育児休業取得者申出書 育児休業取得者終了届 |
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70歳になった | 70歳以上被用者該当届 | |
被扶養者 | 被扶養者に異動があった | 健康保険被扶養者(異動)届 |
被扶養者が国民年金第3号被保険者に該当した | 国民年金3号被保険者届 |
標準報酬月額 | 定時決定 (年1回、1年間の標準報酬月額を決めなおす) |
被保険者報酬月額算定基礎届 |
随時決定 (昇給などで大幅に給料が変わり決めなおす) |
被保険者報酬月額変更届 | |
育児休業等終了時改定 (職場復帰後の賃金変動で決めなおす) |
育児休業等終了時報酬月額変更届 | |
標準賞与額 | 賞与、期末手当などを支給した | 被保険者賞与支払届 |
解説一部
新たに従業員を採用したとき
「被保険者資格取得届」を提出します。届書を提出すると従業員は、健康保険・厚生年金の被保険者となり、健康保険の被保険者証が交付されます。
従業員が退職したとき
「被保険者資格喪失届」を提出します。また、従業員が亡くなった場合にも同様の手続きが必要となります。 なお、届出が遅れた場合、納付する必要のない保険料が計算されたり、被保険者証が使用できないにもかかわらず誤って保険給付を受けたりする原因ともなりますので気をつけてください。
被保険者証を紛失したとき
「被保険者証再交付申請書」を提出します
従業員の氏名が変わったとき
「被保険者氏名変更(訂正)届」を提出します。 被扶養者の氏名が変わったときは「被扶養者(異動)届」を変更届として提出します。
従業員の住所が変わったとき
「厚生年金被保険者住所変更届」を年金事務所に提出します。 配偶者が被扶養者となっている場合、国民年金第3号被保険者の住所変更も同時に提出します。健康保険組合によっては提出を求められる場合もあります。
従業員が育児休業を取ったとき
被保険者が育児・介護休業法に基づく育児休業制度を利用する場合(3歳未満の子を養育する場合)については、事業主と被保険者負担分の保険料が事業主の申し出により免除されます。
扶養家族を被扶養者とするときや被扶養者に異動があったとき
扶養家族を被扶養者にするときや、すでに被扶養者となっている扶養家族に異動があったときには、事業主を経由して「被扶養者(異動)届」を提出します。 (20~59歳の配偶者の場合は、健康保険の被扶養者(異動)届と同時に「国民年金第3号被保険者届」を提出します。
従業員の昇給を行ったとき
「被保険者月額変更届」を提出します。 届出書を提出すると被保険者の標準報酬が改定されます。これを標準報酬月額の「随時改定」といい、固定的賃金の変動があった月から起算して4カ月目から標準報酬月額の改定が行われ、保険料や保険給付の額が変更されます。
従業員に賞与を支給したとき
従業員に賞与を支給したときは、「被保険者賞与支払届」を提出します。 この届書は、保険料や年金の計算の基礎となる標準賞与額を決定する大切なものです。 標準賞与額とは、賞与等の支給額の1,000円未満を切り捨てた額のことをいい、保険料の計算は、「標準報酬月額・保険料額表」を使用するのではなく、標準賞与額に直接、保険料率を乗じて計算することとなります。 なお、年間4回以上支払われる賞与等については、標準報酬月額の対象となるため、この届出を提出する必要はありません。
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